睡眠薬中毒を治した私の体験談

睡眠薬中毒を治した私の体験談

「不眠」はつらいですね。体はつかれているのに眠れない。
その多くはストレスが原因です。

ほとんどの人がハードな仕事を抱えているとき、人間関係で悩んでいるとき、大きな精神的ショックを受取けたとき、など眠れない、日々が続いたという経験を持っているでしょう。

ほとんどが、2週間程度で改善されますが、それが、1ヶ月以上続くと病気、つまり「不眠症」と診断されます。
現在の日本では5人に1人が程度の差はあれ、不眠症だという統計があります。

不眠、もしくは不眠症の治療で医者にかかった場合まず、睡眠薬が使用されます。
睡眠薬はかつては厳重に管理され、よほどのことがないと医者も処方しませんでした。

それは、かつての睡眠薬は、バルビツール系と呼ばれるタイプのものが主流だったからです。
これは致死量が低く、よく自殺に使用されていました。
バルビツール系は簡単に言うと麻酔です。

つまり、脳の活動を低下させることによって眠りに付かせるのです。
このため、数十錠で死にいたります。

しかし、最近では睡眠薬は、精神科、心療内科だけではなく、内科、外科、整形外科などどの専門でも簡単に処方します。
また、「睡眠導入剤」という名称で各製薬会社が発売し、普通に薬局でも購入できるようになりました。

これは、睡眠薬の安静性はかつてとはくべものにならいほど改善された、と医学会が認識しているためです。
現在の睡眠薬致死量は20000錠以上です。
まず、20000錠飲めないでしょう。それに、どうやって20000錠も貯めますか。

現在の睡眠薬は、ベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系と呼ばれるタイプのものが主流です。
これはかつて主流だったバルビツール系は麻酔です。

それに対しベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系脳をリラックスさせることによって眠りにつかせるのです。
どちらかというと、精神安定剤に近いようです。

このため、ちょっとでも不眠を訴えると医者は簡単に睡眠薬を処するようになったのです。
しかし、ここには大きな問題があるのです。たしかに死の危険は少なくなりましたが、依存の問題があるのです。

依存を引き起こし、激しい離脱症状も

ベンゾジアゼピン・非ベンゾジアゼピン系も依存しやすく、いわゆる中毒になりやすい問題があります。
つまり、長期間使用するともうこの薬がないと眠れなくなってしまうという事態に落ちいってしまいます。

また、離脱症状というものを引き起こします。
これは、まず、眠れない、つまりリバウンドです。
そして、不安、イライラ、胃腸の不調、原因不明の恐怖感、筋肉の痙攣などです。

これらは、睡眠薬を長期間使用することによって、身体に耐性がついてしまい、常用せずにはいらなくなるからです。
中毒と同じですから、それを、断薬すると、様々な症状が出るのは当然です。
これらの離脱症状は6ヶ月から12ヶ月続きます。

普通の人は、こんなに長期間苦しむのにはまず耐えられないでしょう。
このため、多くの人が断薬に挫折します。
つまり、睡眠薬は一度使用するとよほど患者側で慎重に服用しなければなりません。

問題は、現在ではほとんどの医者がこの依存性や離脱症状を考慮せず、簡単に処方してしまうことです。
依存や離脱症状はないと断言する医者もいます。

筆者の断薬体験談

筆者は、数年前に離婚しました。と、同時に故郷の母が心臓病、いわゆる狭心症という病気で倒れました。
悪いことは重なるものです。
パニックになった筆者は、何も考えられず前妻の言うとおりに緑色の紙にサインし、仕事の休暇をとり、急いで帰郷しました。

母は心臓の3つの太い血管のうちの1本が切れかかっており、あと一歩おそかったら命がなかったそうです。
手術の結果、幸い母は助かりました。
しかし、父はもう亡くなっていたので、僕が2週間程度病院に寝泊りし、看病しました。

しかし、毎日寝られないのです。環境が変わったせいもあったでしょう。
でも、今、考えると離婚と母の重病が重なったことによるストレスが原因だったと思います。

不眠になってから3日目ぐらいだったでしょうか、耐えられなくなった僕は、母の入院していた総合病院の心療内科を訪ねました。
そこで、状況を説明すると医者は、精神安定剤と睡眠薬を処方しました。
その日の夜、睡眠薬を飲んだ僕は気持ちよく眠れました。「これでもう安心だ」そう思いました。

ところが、事態は悪い方向に向かっていきました。
母の病状が一段落し、帰京した僕は、勤務を再開したのですが、離婚で環境が変わったのと、やはり寂しかったのでしょう。

故郷で処方された睡眠薬が効かなくなりました。
そこで、地元の心療内科を訪ねたところ、別の睡眠薬を処方されました。
それで、しばらくは眠れました。

最初は一時的なショックによるものと、思っていました。
しかし、またしばらくすると眠れなくなるのです。
今考えると、離婚と母が死にかかったことが同時おこったことは、よほど僕の心に深く傷を残していたのでしょう。

結局、3ヶ月ぐらい通ったでしょうか。
このままでは、睡眠薬中毒になってしまう、という危機感に襲われました。
医者は相変わらず、今の睡眠薬は安全だからと安易に処方します。

そこで、ネットや書籍を調べまくり、徐々に減らしてく方法をとりました。
僕は2種類の睡眠薬を処方されていました。
それを、最初2週間は1錠ともう1錠は半分に割って使用するのです。

しかし、依存というものは恐ろしいもので、半分に割っただけでも寝つきが相当悪くなるのです。
幼馴染にお酒を飲まないと眠れないという女性がいます。
彼女はいつも飲む量の半分にしただけで、眠れなくなるそうです。
これは完全にアルコール依存です。僕にも同じことがおこったのです。

最初はつらいが徐々に減らして断薬

ただ、ここで挫折してはいけない、そう決心しました。
幸いなことにつらいのは量を減らして1週間ぐらいでした。
そして、2週間たってまた眠れるようになると、今後は2錠だったものを1錠にしてみました。

ここが山場だったのかもしれません。
今度は2週間たっても眠れませんでした。仕事に影響します。

毎日がフラフラして、思考能力ゼロの状態が続きました。
しかし、僕は挫折しませんでした。薬物中毒になりたくない、という一念が僕を動かしていました。

3週間ぐらいたった時、ようやく1錠で眠れるようになりました。
そして、また、2週間様子を見て、今後は半錠にしました。このときはそんなに変化はありませんでした。
もう僕は依存から脱出しかけていたのかもしれません。

最後は飲み会でした。久しぶりに大学時代の仲間が集まり、遅くまで飲みました。
そして、帰宅後、睡眠薬なしで、朝まで熟睡できました。

僕は日頃お酒を飲みません。このため、最終的には睡眠薬もお酒もなしで眠れるようになりました。
しかし、今でも時々、眠れない夜があります。でも、それは普通の人にもあることだと楽観しています。

僕の場合は、睡眠薬の量も少なく、期間も短かったので、この程度(?)で克服できましたが、重度の不眠を訴える人は大勢います。また、睡眠薬自体にも作用の強弱があります。実際はもっと時間もかかり、根気づよく対処しないといけないでしょう。

不眠で悩んでいる方に参考になったかはわかりませんが、もし睡眠薬依存に陥った場合は、根気良く少しずつ服用量を減らしていく方法をオススメいたします。

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