睡眠障害とは?不眠症や過眠症まで、タイプ別にみる病気の種類

眠りたいのに眠れない、又はどれだけ寝ても、寝足りなくて昼間眠くて仕方がない。

このような睡眠の悩みが慢性的に続く場合に、単なる不眠や眠気と片付けて良いのか、医療機関を受診して、適切な診療を受けたほうが良い、いわゆる「病気」なのか判断出来ず、医療機関を訪ねてみる前に二の足を踏んでおられる方も多いかと思います。

確かに、例えばただ眠れない「不眠」と、眠れない病気である「不眠症」「睡眠障害」なのか自分で区別するのは難しいですが、睡眠障害専門の医療機関にかかったとした場合の基本的な診療の目的は、「眠る」ことでは無く、日常生活の支障を取り除くことにあるため、昼間の生活に支障をきたしているかどうかをまずは、第一の判断材料とするのが良いと思います。

睡眠障害の種類

睡眠障害の種類については、「睡眠障害国際分類」で見ると病名や症状別に、実に96種類が挙げられています。

眠れない「不眠症」も、眠り過ぎてしまう「過眠症」も、この分類の中のひとつのカテゴリーとされています。

医療機関を受診してみようと思われる場合のひとつの参考として、代表的なものをいくつか紹介しましょう。

睡眠呼吸障害

大きな事故の原因となり有名になった「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が、この睡眠呼吸障害の大半を占めます。

その中でも多いのが、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」といわれるものです。

これは、睡眠中に上気道周辺の筋肉が垂れ下がり、または肥満により上気道を塞いでしまい、呼吸停止が1回に10秒以上止まる疾患です。

1時間あたりの呼吸停止の回数によって重症度が判断されます。

本人は夜間眠っているつもりでも、昼間に強烈に眠気に襲われる場合などはこの疾患が疑われます。

他に、夜間頻尿やいびき、肥満がある方も要注意です。

この疾患がある場合には放置しておくと様々な疾患を招く危険があります。

重症の睡眠時無呼吸症候群患者については、治療をしない場合には心血管病による死亡率が2.87倍にも上げるという報告がされています。

命にかかわる、または大事故に繋がる疾患ですので、心当たりのある場合には一刻も早い受診をお薦めします。

不眠症

睡眠障害の中で最も多く、日本人の実に5人に1人が不眠の訴えを持ち、40代以降の女性にいたっては、2人に1人が不眠症であるとされています。

不眠症とは、夜一般的に寝る時間だとされている時間に寝ているにもかかわらず、長く眠れず睡眠の満足感が得られない状態で、その結果として昼間「身体的、精神的、社会的」に支障をもたらしている状態をいいます。

この「不眠症」は原因・症状別に更に
・適応障害性不眠症(急性不眠症)
・精神整理性不眠症(慢性不眠症)
・逆説性不眠症(睡眠状態誤認)
・突発性不眠症(小児性発症)
・精神疾患による不眠症(うつ・不安障害)
・睡眠衛生不適切
・小児期行動性不眠症
・薬剤・物質による不眠症
・身体疾患による不眠症(痛み、せき、かゆみ、頻尿)
・特定不能な不眠症(非器質性不眠症)
・特定不能な生理性不眠症(器質性)
の11種類にも分けられます。

不規則な就寝リズムで生活している、又は痛い、痒いなど身体的な要因で眠れないことが自分でわかっている場合には、生活リズムの改善を行うか、その訴えの解消を目的として受診することが出来ると思いますので、ここでは自覚のない原因にしぼり、受診を迷う方々に向けて紹介することとします。

■精神生理性不眠症
寝つきの悪さが顕著で眠れない結果、昼間に全身の倦怠感、意欲・集中力の低下がみられる症状です。

この場合の診断基準としての「眠れない」期間は1ヶ月以上とされています。

きっかけは、過度の不安やストレスで自律神経の緊張が高まり、脳が興奮状態であるために寝付けないという状態からはじまります。

やがて不眠が固定化し、不安やストレスが解消されたあとも不眠が続き慢性化した状態になります。

治療法としては、認知行動療法という、薬を使わない行動療法と、抗不安薬や睡眠薬をつかう薬物療法と行動療法とを併用する場合とがあります。

■逆説性不眠症
実際の睡眠の検査では特に異常がみつからないのに、強い不眠を訴える症状です。

原因には、うつ的な特性がある場合があり、うつ病や睡眠薬依存症に繋がらないように定期的に観察がおこなわれます。

中枢性過眠症

過眠症は、睡眠障害国際分類では
・ナルコレプシー
・突発性過眠症
・反復性過眠症
・行動誘発性睡眠不足症候群
・身体疾患、薬物、物質による過眠症
に分けられています。

この疾患で代表的な「ナルコレプシー」は、HLA検査、オレキシン検査で診断されます。

寝入りばなに金縛りになりやすい、興奮すると、手に持っていたものを落とすといった全身あるいは体の一部が脱力する場合にはこの疾患が疑われます。

受診のススメ

以上見てきたように、心理的要因からくる不眠症のように、たとえ「気のもちよう」で片付けられそうにみえても、専門の医療機関には、昼間の生活の質を取り戻すためのプログラムが用意されています。

重大な疾患を見逃さないためにも、「たかが不眠」と片付けず、一度医療機関を受診されることをお薦めします。

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